1999 第40回宝塚記念
前年の有馬記念に続きグラスワンダーが優勝し、グランプリ連覇を果たした。
馬齢は一部を除いて旧表記を用いる。
例年、この暑い夏の時期は休養に入る馬も多く、このレースがフルゲートになることはなく、このレースも例外ではなかった。
この競走で単勝1番人気に支持されたのは、スペシャルウィーク。
この年の天皇賞(春)を制し、宝塚記念の後は、凱旋門賞への出走を計画していた日本ダービー優勝馬であった。
2番人気はグラスワンダー。
スペシャルウィークと同年生まれで、怪物と称された3歳チャンピオン(JRA賞最優秀3歳牡馬部門受賞)
しかし翌年骨折し、復帰後は4歳ながら前年の有馬記念に勝った外国産馬である。
レースはこの2頭の争いと見られていた。
離れた3番人気は3歳馬のオースミブライト。
この年から一般公募による宝塚記念オリジナルのファンファーレの使用が開始され、早川大海が作曲した曲が選ばれた。
レースはまずニシノダイオーがハナ(先頭)に立ち、その後ろにヒコーキグモ、ステイゴールド、キングヘイロー、そして人気のスペシャルウィークが続き、その真後ろにグラスワンダーが追走した。
その後もレースはスローペースで進み、向こう正面でもスペシャルウィークが中盤に控え、これをマークする形で真後ろにグラスワンダーが続いた。
このあたりで一度、スペシャルウィーク騎乗の武がグラスワンダーと騎乗していた的場均を探して左右を確認する仕草が見られた。
このとき関西テレビの競馬中継の実況をしていた杉本清が「相手はこれと決めた時の的場均は怖いぞ」と実況した。
的場とグラスワンダーは、武とスペシャルウィークを目標と定め、一方のスペシャルウィークと武からしてみれば、的場とグラスワンダーに格好の目標とされてしまっていた。
第3コーナー手前から早くもスペシャルウィークが進出し、グラスワンダーもそれを見るようにポジションを押し上げていった。
そしてスペシャルウィークが第3コーナーで早くも先頭に立ち、最後の直線入り口でスパートをかける。
スペシャルウィークを目標と定めていたグラスワンダーが外から満を持して進出し、
直線半ばであっという間にスペシャルウィークを抜き去り3馬身差をつけて快勝。
敗れたスペシャルウィークも3着以下に7馬身もの大差をつけた結果となった。